持ち家vs賃貸 お金編

「持ち家を購入するのと賃貸に住み続けるの、お金の面ではどちらがいいんだろう?」

 

この記事では、そんな疑問について考えていきたいと思います。

 

結論は次のとおりです。
・生涯住居費の総額がどちらの方が多いかは選択する住宅次第
・単純な月々の「ローン返済額」と「家賃」の比較だけでなく、+αでかかるお金も考慮する必要あり(持ち家なら固定資産税、火災保険、修繕費用など。賃貸なら敷金礼金、契約更新料、引越し代など。)
・住居費は賃貸の方が弾力的(持ち家の住宅ローンは一度契約すると完済まで払い続けなければいけないけど、賃貸はそのときの家計状況によって家賃の低い物件に移ることも可能。)
・持ち家はローン返済が終われば月々の負担は減る。賃貸は一生家賃を払い続ける必要がある

 

僕は現在32歳で妻と子一人の3人家族。年収は同年代の平均程度です。
結婚当初は賃貸派でしたが色々と検討した結果、土地探しから注文住宅を建てることを決断し、今年になって地元の工務店と契約をしました。
そんな僕が考える、持ち家と賃貸の金銭面における比較をしていこうと思います。

 

○お金の面の比較
・総額
 比較する上で最もわかりやすい観点ですが、どのような物件を選ぶかによって大きく変わってきます。持ち家、賃貸ともに立地や建物のスペックなどによって費用はピンキリです。ですので一概にこっちの方が住居費をより低く抑えられる、とは言えません。

 住宅情報誌などではよくこの手の比較特集がされていますが、具体的な候補物件があって初めて意味のある比較ができます。

 まずは持ち家、賃貸ともに、ある程度具体的な条件を出してから比較するといいと思います。

 ちなみに僕が賃貸派だったのも生涯の住居費の総額が低く抑えられると考えていたからです。僕が勤める職場では社宅が用意されており、一般の賃貸住宅より家賃が安いため、「退職するまでは社宅一択!」と考えていました。(厳密には賃貸とは言えないのかもしれませんが。。。)

 

・生涯の住居費の総額を比較する際の注意点
 持ち家を買うかどうかを考える際に「住宅ローンの月々の返済額が現在の家賃より高いか低いか」という比較をするかと思います。物件情報サイトでも「月々の返済額を確認!」といったページがありますよね。

 もちろん「月々の家計における住居費」を考えることも必要ですが、生涯で衣食住の「住」にどれだけ費用がかかるか、つまり住居費の総額を考える際には、それだけだと不十分だと思うんです。

 持ち家であれば購入費用に加えて固定資産税や火災保険の費用が必要ですし、定期的なメンテナンスのための費用も毎年積み立てておく必要があります。マンションであれば駐車場代や修繕積立金、管理費用が必要になります。

 賃貸であれば同じ物件に住み続ける場合には契約更新料、引越す場合には引越し代や敷金礼金、場合によっては退去時の修繕費、これらが追加で必要になってきます。

 住居費を比較する場合には、月々の「ローン返済額」と「家賃」だけでなく、これらの費用も含めた総額を考える必要があります。

 単純な「ローン返済額」と「家賃」の比較とは違う意外な結果や節約どころが見えてくることもありますよ(^^)

 

・賃貸の住居費は弾力的
 持ち家のデメリットとして住宅ローンの返済にその後何年も縛られる、という点があります。もちろん手持ち資金ですべて支払える、という方々もいらっしゃいますが、僕たちのような平均的サラリーマンには夢のような話です(苦笑)。

 金額は人それぞれですが、毎月10万円前後のお金を支払わなければならない、というのは結構な縛りですよね。これがあると転職にもなかなか踏み切れませんし、大きな病気をするわけにもいかないというプレッシャーもあります。

 その点賃貸は、その時々の自分の経済状況に応じた家賃の物件に引越す、という選択肢があります。仮に一時的に家計が厳しくなっても、家賃の低い物件に引越してしのぐということが可能になります。

 住宅ローンの硬直性、賃貸家賃の弾力性というのは、住居費を考える上で考慮しておくべきポイントだと思います。

 

・持ち家はローン返済が終われば負担減
 住宅ローンの硬直性がデメリットになる持ち家ですが、一方でローンの返済が終われば月々の出費はぐっと少なくなるメリットがあります。ですので定年退職前にローンを完済してしまえば、老後の住居費の負担感は小さくなります。

 ここで一つ注意が必要なのが、せっかく住宅ローンを完済しても、それと同時期またはそれほど年数を経ずにで建替えまたは大規模な修繕が必要になる場合がある、ということです。

 その場合は再びローンを組んだり、大きな貯金の切り崩しが必要になり、結果的に住居費の総額は大きくなります。

 ローン完済後の出費を抑え、住居費の総額を減らすのであれば、住み続けられる土地に住み続けられる家を手に入れる、という視点を持っておく必要があると思います。

 

 他には持ち家を売却して新しい家を買うというパターンもありますが、これが成功するのは、交通の便がいい駅近のマンションくらいではないかと思います。その場合も数十年後の物件価格に確実性はないので、マンションの売却益を当てにした計画を立てるのは避けた方がいいかな、というのが僕の主観です。

 一方で賃貸の場合は家賃を一生支払い続ける必要があります。老後の年金生活に入ってから毎月数万円の家賃を支払い続けるというのは結構な負担になります。

 一生賃貸で暮らすなら、ライフステージに合わせて必要十分なスペックの物件移り住んでいく必要があると思います。

 

○僕の判断
 以上が、僕が持ち家と賃貸どちらにするか比較した際に検討したポイントです。これを踏まえ、なぜ僕が持ち家を購入することを決断したかというと、、、
「妻の『一戸建てで子育てをしたい』という確固たる主張があったから」
です。
 「え、そんなこと?」「結局人任せじゃん」という声が聞こえてきそうです(苦笑)。
 

でもここまで書いてきたとおり、「持ち家と賃貸なら○○がいい」という正解は存在しないんです。正解がないのであれば、「こうしたい!」という希望をかなえるために、デメリットを認識してそれを受け入れたり小さくしていく、という作業に時間を費やした方が建設的です。

 

 僕は家賃の安さから社宅を推していた訳ですが、僕と妻の職場までの距離や建物の設備の面でどうしても不満が出てきそうだな、とも感じていました。

 「そういった住環境や妻の望みを犠牲にしてまで住居費を安く抑えることに固執する意味はあるのか?」と自問したところ、「毎日の生活をおくる住まいに不満を抱えて生きていくなら、何のために働いているのか?」という疑問に到達したんです。

 つまり、「働いて得たお金のうち一定程度を快適な住環境にかけてもいいんじゃないか?」という価値観に気づき、それが腹落ちしたんですね。

 他にも、「住宅ローンを借りると経済的に縛られる」という考えがあったんですが、それも「結婚して子どもをもった時点でだいぶ縛られてる」ということに気づいたんです(苦笑)。それに納得した上でその判断をしてきたことにも。
 そして「それなら住宅ローンを借りても大差ないのではないか?」そういう考えに至ったんです。

 それに社宅に住み続けると考えてる時点で、今の会社に務め続ける、と言ってるようなものなので、転職の自由度が下がることを、持ち家を持つ場合のマイナスと捉えることもおかしな話な訳です。

 こういった思考を経て、僕は「お金の面で賃貸(というか社宅)がいいと思っていたけど、持ち家を買うという選択肢もありかも。」と考えるに至りました。

 そこからは「自分たちが住宅にどれくらいお金をかけてもいいと考えていて実際にどれくらいかけられるのか」を考え、「具体的にどんなスペックの住宅を求めていてどこまで実現可能か」といった検討に進んでいきました。その詳細はまた別の記事に書きたいと思います。

 正解がないテーマですし、現時点の僕の判断が自分たちにとってベストなのかもわかりませんが、同じように悩んでいる方にとって一つの参考になればうれしいです。
 

今回の記事は以上です。

 

 

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